土を焼いて表現する

ogata_toshi2007-02-25

       

    ◇◇◇◇◇◇◇

以前は、ガス窯や野焼きで作品制作をしていましたが、
最近は電気の窯で焼成する事が圧倒的に多いです。
電気の窯は、あまり偶然性が無い。
そもそも「炎」というものが焼成過程に無い。

登り窯など、木材燃料を使って制作しているかたと作品焼成について話す機会が度々あります。お互いの作品に対する想いや技術的な事もいろいろ話せて、とても楽しい時間です。
陶芸を行ってる人は土を焼いて作品をつくるのですが(って当たり前ですが)、電気窯と登り窯とは、まったく違う道具だと思います。これは、もう、ほんとうにぜんぜんちがう。


電気窯で登り窯のような作品を創るのは不可能だと思う。
と言うか、
電気窯でしかできないような作品をつくれないものだろうか、と思う。
で、
私は電気窯を使って、小さな彫刻をつくる。

どっちもアートだってとこは一緒。
…ってものを表現しないといけないと思う。



たとえば、
ルーシー・リーの作品は登り窯では出来なかったはずだし、ルーシー・リーは、自身の気持ちと合致する道具に出会ったんだと思います。もっと飛躍して言えるのであれば、ルーシー・リーは、登り窯をつかっても、愛情を持ってさらに別の素晴らしい作品を創ったと思います。

◇◇◇◇◇◇

電気窯で還元焼成をするときに木片などを窯の中に詰め込むと、電熱線などが劣化してしまう。
道具を傷めてまで効果を狙うよりも、土中練り込みなどで新しいことができないだろうかと思います。

登り窯をつかって創りたいときには、登り窯をつかって制作しているアーティストに相談して力をかしてもらったほうが、いい作品ができると思う。


           ◇    ◇    ◇